ピアジェとは?
自由でのびのびという名目で基本的なしつけをせず子どもを放任したり、逆に子どもの発達段階を考えずに記憶に頼る教育を押し付けるケースがあります。
しかし、ピアジェは「教育とは創造する人を作ることです。教えられたことを繰り返す人よりも、常に自分で考え、新しい知識を作り出し、発明していける人をつくらなくてはいけません」と述べています。
先生に教えられるのではなく、子どもがあそびの中で自分から働きかけ、その環境の手応えを感じ取り、豊かな刺激を受け取ることによって、子どもは自分自身を発達させていく創造的教育をピアジェ教育といいます。
ピアジェ教育は知識を身に付ける教育ではなく、知恵を出せる子どもを育てる教育です。
トヨタ自動車の豊田章一郎氏も、これからの時代は知識より知恵の時代だと言っています。
ピアジェって誰?
ジャン・ピアジェ(1896~1980)は新生児から青年期までの知能の発達を臨床的、科学的に明らかにしたスイスの心理学者(ジュネーブ大学教授)です。
ピアジェは、アメリカ「タイム」誌に20世紀の科学者、思想家で最も影響力のあった100人に選ばれたうえに、アインシュタインとともに10人の偉人に選ばれています。
どんな教材を使うの?
3歳児「はじめてのあそび」
3歳児のはじめてのあそびの教材は5つのあそびから成り立っています。
毎月数種類のあそびを行い、系統的に指導します。下記の内容は、年間計画の一部です。
- ブロックあそび
- 枠から出し入れする型はめあそびを十分にし、積み木の様にいろいろなブロックを組み合わせて遊ぶことにより、創る楽しさ、おもしろさを味わわせながら、想像的思考を育てます。
- 形あそび
- 型はめあそびを十分にしたり、チューリップや車を描いた実物大の台紙の上に置いて形の認識力を養ったり、箱の中に入れて手で触れるだけで何の形か当てるゲームをして集中力や想像力を育てます。
- 人形あそび
- 自由に操作してあそんだり、教師が行うポーズを人形で作ってみたりします。
また、友達のポーズを人形で作ったり、自分の姿勢や動作を人形で再現したりすることで、上下、前後、斜め等の空間概念を育てます。
- 図形あそび
- 丸、三角、四角のブロックを使い、型はめあそびを十分にしたり、好きな物を作ったりします。棒状の図形あそびブロックで長さ比べをしたり、縦と横の関係に目をつけ、縦に色をそろえて入れることにより、分類して行く能力を育てます。
また、「赤くて大きい方の三角はどれですか?」とクイズであそぶことにより、色や形、大きさを理解していきます。
- 絵カードあそび
- 絵カードにある物の名前をみんなで言ったり、食べ物のカードを探したりします。カードの一部分を隠して、何であるかを判断して推理力を育てます。
また一つ一つ切り離して「動物」「乗り物」「道具」等のカードの中から「乗り物」の仲間だけを集めたりすることにより分類力を育てます。
4歳児・5歳児「ぺたぺたシールあそび」
ピアジェ理論に基づいた、子どもの世界を大きく広げる“あそびの過程”を重視した教材です。
子どもはシールが大好きです。この教材は、シートの上でシールをくっつけたり、はがしたりといった操作を通じて思考の操作につながるよう工夫されています。何度もくっつくシールなので失敗しても問題なく楽しく繰り返すことができ、しかも答えが一つではなく、いろいろな判断ができるので新しく創造的な知能を伸ばす教材です。もちろん、新しい発達心理学であるピアジェ理論に裏付けられた日本で唯一の教材です。